謎の肺炎SARS

新型肺炎と言われるSARSですが、正式には『重症呼吸器症候群(Sevevre Acute Respiratory Syndrome)』と言います。この頭文字をとって『SARS』と呼ばれているのです。では、どのような肺炎なのでしょうか。SARSについては終息宣言が出されていますが、世界中を震撼させたこの新型肺炎のことは、きちんと頭に入れておきましょう。

SARSってどんな肺炎?

香港2002年、中国で発生した新型肺炎SARSは、後に世界を震撼させました。原因は、新型のコロナウイルスと判明しましたが、多くの患者、多くの犠牲者を出した肺炎です。中国で発生したSARSは旅行者を介して世界に広がりを見せました。

一番犠牲者が多かったのは、発症者数5000人以上、命を落とした人348人の中国、次いで発症者数約1700人、犠牲になった人299人の香港でした。これは発表された人数であり、この陰にはもっともっと犠牲者がいたのかもしれません。

中国での患者数の誤魔化しにより、当時の市長と保険局長をはじめ、多くの人が解任されました。中国からシンガポール行きの飛行機の中で肺炎症状を起こした男性がいて、ベトナムに緊急着陸、ハノイの病院に収容されましたが、男性は処置のかいなく命を落し、男性の処置にあたった医師や看護師らも同じ症状が出て、このうち数人は命を落しました。医療従事者への感染により、世界はパニックさながらに陥ってしまいます。WHOでも事態を重く見て、世界に向けて警報を出したのです。

SARSの症状

SARSを疑われる症状として、38度以上の熱、咳や息切れなどの呼吸障害、低酸素血症、肺炎などと同じような症状です。これに加えて、SARSの発生した記録のある地域への旅行経験や、人物との接触も挙げられます。感染率は数字上だけでいえばインフルエンザよりも低くなります。ただし、何もない無機質な場所でも24時間以上ウイルスが行き続けることが立証されていますので、油断はできません。

SARSの治療

SARSの治療もしかしたら普通の肺炎ではない、SARSに関係する国に旅行に行っていた、または行った人と接触して、もしかしたらSARSかもしれない……そう思ったら、病院に行く前にしなければいけないことがあります。

いきなり受診してはいけません。最寄りの保健所か医療機関に連絡をして、指示を仰ぎます。その指示にしたがって受診してください。検査は鼻水、血液、尿からSARSウイルスが検出されるかどうか調べます。

その後、血液の中に、SARSに感染したときに体の中で作られる抗体があるかどうか調べます。治療法としては、ウイルスに対して、症状を和らげる治療が行われます。

SARS患者が出た場合

SARSは終息宣言が出されて、現在SARS患者は数年間確認されていません。しかし、SARSがどれほど脅威なものなのかを物語るように、各国で、発生した場合のシミュレーションや対策を出しています。日本でのSARS患者が出た場合の対応はいかのようになります。

  1. SARS患者が出た場合、健康危機管理支援情報システムを用いて、各都道府県に情報を伝達できるようにし、加えて患者に対しては入院勧告を出し、速やかにその情報を公開します。
  2. 患者が出た場合、対策本部を設置します。必要に応じて、広域的な対応のためにオペレーションセンターを儲け、対応にあたります。
  3. 感染までの経緯や原因を究明し、国が各都道府県と共同して疫学調査をするために専門家を派遣します。
  4. 患者の入院や消毒などの措置は国が指示します。

このように、国を挙げての対策になるのです。SARSがどれだけ驚異的存在なのかがお分かりになるでしょう。今後、SARSが発生しないことを祈るばかりです。

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