ウイルス性の肺炎

細菌性の肺炎に対し、ウイルスが原因で起こるウイルス性の肺炎があります。細菌性のものは抗生物質などで治療しますが、ウイルス性の肺炎は、そのウイルスによって使う薬が変わってくるのです。ウイルス性の肺炎は、細菌性のものと比べると症状が軽いという説もありますが、一概にそう言うものばかりとはいえません。肺炎は命に関わることがある病気だということを胆に銘じておきましょう。

インフルエンザウイルス

インフルエンザは毎年様々な型がはやり、ニュースや新聞でも話題になります。インフルエンザウイルスによってインフルエンザにかかり、重症化すると肺が侵されて肺炎になります。インフルエンザは普通の風邪よりも症状が重いため、かなりの体力を奪われます。

ただでさえ重症化すると命の危険にさらされるものですから、肺炎にまでなってしまうと様々な合併症の心配も出てきますので、油断はできないでしょう。インフルエンザにかかったら、しっかりと病院で処方された薬を飲んで治療に専念し、肺炎にならないようにしなければいけません。できれば毎年、インフルエンザの予防接種を受けることが望ましいでしょう。

アデノウイルス

アデノウイルスの知名度は低いかもしれませんが、インフルエンザに次いで多いものです。インフルエンザが冬に流行するのに対して、アデノウイルスは季節を問いません。このアデノウイルスには数多くの型が存在し、肺炎を起こすものは7型と呼ばれるものです。他の型のアデノウイルスでの肺炎よりも、7型の肺炎は症状も重く、重症になったり命を落したりします。

効果のある治療薬はなく、出ている症状に対しての対処療法になってしまいます。とにかく重症の肺炎を起こすウイルスですので、うがい、手洗いの徹底や、タオルを共有することはしないという予防しかできません。

麻疹ウイルス

麻疹は言わずと知れたはしかのことですが、この麻疹ウイルスが肺に感染すると肺炎になります。麻疹で命を落すことがありますが、その原因は麻疹ウイルスによる肺炎と脳炎になります。この場合、麻疹による発疹が出ることは稀で、予後も悪く、長い期間ウイルスが排出されることになります。どちらにしても重症化することには変わりありませんから注意が必要です。

サイトメガロウイルス

あまり聞きなれないこのサイトメガロウイルスは、ヘルペスウイルスの仲間です。日本人のほとんどが日和見感染しており、発症しないまま過ごしています。免疫不全の状態で発症するところは、カリニ肺炎と似た性質を持ちますが、普段何も起きない状態でこのウイルスを体内に持っていても、化学療法のあとや免疫不全症候群などでサイトメガロウイルスによる肺炎が発症した場合、致命的なものとなってしまいます。

治療においても、使用される薬が腎臓に障害を起こす恐れもあるために、肺炎の経過と共に、腎臓の状態も常にチェックしていかなければいけません。その他にも、白血球の減少や血小板の減少、肝炎や関節炎なども見られます。網膜に異常がでることもありますし、大腸炎を伴うこともあるでしょう。このウイルスに感染してもほとんどの人が症状の出ないまま発症することはありませんが、一生体内で消滅せずに残っていくものですので、体力をつけ、免疫力が下がらないよう、健康的に過ごすことが大切です。

間質性肺炎になると、ほぼ100%の人が、数年以内に命を落としてしまいます。また、妊娠中の母親が始めてサイトメガロウイルスに感染した場合、胎児に先天性サイトメガロウイルス症候群という重い障害がでる恐れがあります。サイトメガロウイルスは、早期発見して抗ウイルス剤を投与し、早期治療が望まれます。

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